奥寺くんの第2ボタン〜続編〜
もうすべて散ってしまった桜の木の下
私はあの日のことを思い出した
「葉山さん!」
不意に呼ばれて勢いよく振り返る
でもその先にいたのは私が待っている人ではない
「内くん…」
高校生になって初めてできたたった1人のお友達だ
なにを期待していたのか
彼はきっともう私なんか…
「葉山さんまたここにいた
いつもここにいるね」
「うん…桜って綺麗でしょ?
だからついつい見に来ちゃうの」
「もう散ってるのに?」
「うん」
「ふっ、葉山さんって変わってるね」
「そうかもね」