【完】恋愛エゴイズム
そうなると、なんだか泣きたくなって。
あたしはスッと立ち上がって、侑悟の傍を離れた…。
 
 
あたし、侑悟が好きだよ。
だって、侑悟はあたしのヒーローだもん。
 
 
だけど、フラフラと訪れたトイレの中で、他の子たちが話しているのを聞いてしまったんだ。
 
『相川くんにフラれた子に聞いたけど、何でも相川くんのNGワードは"憧れ"らしいよー?それ言うと、滅茶苦茶キレるって!まぁキレてる相川くんも格好いいけどさぁ〜』
 
『ていうか、相川くんには、誰のモノにもなって欲しくないよねー!だって、"うちら"の相川くんじゃーん?』
 
 
キャーっ!と、ほとんど後半は黄色い悲鳴に近い声を上げて去っていく彼女たち。
あたしは、個室で1人フリーズ。
 
 
ヒーローだと思っててもいけないのかな?
だから、気持ちが通じないのかな?
考えれば考えるほど、胸の中はぐるぐるモヤモヤして。
 
 
なんか、気持ち、悪いかも…。
 
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