【完】恋愛エゴイズム
ズキズキと痛んでくる頭を、こめかみを押さえることでなんとか抑え込んで。
深い溜息を吐いてから、目の前に差し出されたプリントに目をやる。
 
 
「…おい」
 
「なぁに?」
 
「ここも、ここもここもどこもかしこも間違ってんじゃねぇか」
 
「えー?本当?んー…。おかしいなぁ?」

「…オレが間違ってたな」
 
「へ?」
 
「お前は『ばか』なんじゃなくて、『大ばか』だ。脳みそ腐ってんじゃねぇのか?なんでこんな簡単な問題も分かんねぇんだよ。チッ。仕方ねぇ。貸してみろよ」
 
「わー。侑悟ってば、やっぱり優しい!もう大好き!」
 
「はっ?ふざけんな。誰がてめぇに好かれて喜ぶんだよ」
 
< 3 / 50 >

この作品をシェア

pagetop