【完】恋愛エゴイズム
「おい!七彩!てめぇ、何やってんだ、遅ぇよ…あぁ?何だ、お前?なんかこいつに用か?」
 
「い、いや…」
 
「だったらどっか行け。オレはこいつに用があんだよ」
 
 
ぐい。
 
 
まるでその人からあたしを遠ざけるように自分の後ろに、あたしを隠して、侑悟は怒ったようにこう言った。
 
 
「つーか、てめぇ、もうこいつの前に現れんな。こんなにビビってんのが分かんねぇのかよ。最低ヤローが」
 

ドスの利いた声。
それだけで、侑悟が本気で怒っているのが分かる。
あたしは、それが嬉しくて仕方なかった。

「あ、相川くんには関係ないじゃないか!」
 
「あぁ?関係アリアリだっつーの」
 
そう吐き捨てるようにキッパリ告げてから、あたしを半分抱き締めるような形で、そのまま教室の中へ入る。
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