【完】恋愛エゴイズム
「なんだよ?不服か?」
 
「もー…。人の名前で遊ばないでよ〜。ばかはばかだけどさなら。事実だけどさ〜」
 

ぷぅと膨れた頬。
 それが愛しいと言ったら、こいつはなんて返すんだろうか?
 
 
「分かったよ。じゃあ普通に呼んでやる。陸。それでいいな?」
 
「え?ちょ、な、な、な…??」
 
「くっ。面白ぇ顔すんな。腹がよじれる」
 
「ひっどいなぁ…。でも……」
 
 
好き…と続けられるかと思ったら、何故か曖昧な笑顔を向けられた。
 
 
そういや、最近こいつから「好き」という言葉を聞いてない。
 
 
何かしらの気持ちの変化があったのかと、注意深く観察してみるも、ちっとも真相には辿り着かない。
< 38 / 50 >

この作品をシェア

pagetop