【完】恋愛エゴイズム
「………」
 
「…………」
 
その間、何か言いたそうな陸の顔を横目に、オレは何も言わずに歩を進めた。
 
 
「まずは座れよ」
 
「ん……」
 

 
いつの間にか、ほとんど人の居なくなった教室。
そこで、とりあえず席に着かせて、オレもその真正面に座り足を組んだ。
 
 
「で……?」
 
「…え…?」
 
「え…?じゃねぇーんだよ。人から逃げるようにいなくなりやがって。ほかの男に勝手に呼び出し食らってんな」
 
「だって…」
 
「だってもへったくれもねぇんだよ」
 
「なんで……?」
 
「あぁ?」
 
「なんで、侑悟はそんなに優しいの?」
 
「は?」
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