【完】恋愛エゴイズム
てか、女を泣かせて、後悔したのはこれが初めてだな。
 
 
 
「落ち着いたか?」
 
「ん…」
 
 
ぽんぽん、ぽんぽん
 
 
リズムよくあたまを撫でてやると、陸は深呼吸してオレの手をぎゅうっと掴んで来た。
 

「なんだよ?」
 
「えへへ…侑悟、好き…」
 
「はぁ?正気かよ?」

「ん。めちゃくちゃ、ほんき、だよ?」
 
 
微笑まれ告られて。
それが好きな女になら、こんなにも嬉しいことはないけれど。
 
 
「つーか、待て。お前いっつも好き好き言ってんじゃねぇーか。そんなの今更信じられっかよ」
 
「んー…。でも、この気持ちは間違いないよ?」
 
「…どうして」
 
「ん?」
 
「なんで、オレが好きなんだよ?」
 
< 45 / 50 >

この作品をシェア

pagetop