【完】恋愛エゴイズム
一番聞きたいことは、そこだった。
こいつなら、きっとオレの聞きたい言葉を知っている気がした。
 
 
だから…。
 
 
「侑悟だから?」
 
「……」
 
 「侑悟が侑悟だからかなぁ?オレ様だしつれないし意地悪だし口も悪いけど…実は面倒見が良くて笑い上戸な所とか。何気に甘い物が好きな所とか…みんな、ぜーんぶまとめて、侑悟だと思うんだぁ。だから、侑悟が好きだよ。それじゃ、ダメかな?」
 
 
「……そーかよ」
 
 

オレが思っていた以上に、オレのことをしっかりと見てるこいつに、胸の奥がじわりと温かくなって行った。
 
 
「……もしかして、侑悟…照れてる?」
 
「うるせぇよ。んなわけあるか。てか顔覗くんじゃねぇ!」
 
「でも、顔、赤…」 

「くねぇーよ!くそ!黙れ。ばか陸」
 
「むー。言えって言ったのは侑悟の方なのにぃー」
 
 

こんな風に誰かに本当の自分を見破られることも、それが照れ臭いことも、そして嬉しいと思ったことも…初めてのことで。
 
 
「侑悟、好きだよ」
 
 
ムカつくほど、キレイに笑うこいつがすごい好きで。
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