【完】恋愛エゴイズム
つーか、なんでいちいちオレが構ってやんなきゃなんねぇのか…。いや、そもそもこんな面倒くせぇ奴なんか相手にしなきゃいい話なんだが。
 
 
「って、ほんとに寝てんじゃねぇよ!七彩!」
 
「んー…」
 
「ったく、無防備にアホ面晒しやがって…」
 

 
いつもオレがムダな告白を受けてくる度、こいつは嫌というほどまとわり付いてくる。
だから、こいつがオレのことを本気で好きなのは分かってる。
 
けれど。
 

「七彩さーん!隣のクラスの関くんから呼び出しでーす!」
 
「んむー…?はぁい。分かったぁ。なんだろ?あたし眠いのになぁ…」
 
 
オレが告白されるのと同じ…いやもしかしたらそれ以上かもしれない。
 
こいつはモテる。
頭が菜の花畑なのを除けばら見た目も性格も言いからだ。
 
それは、オレも知ってる。
 
でも、俺は更に…。
 
「ごめんねぇ〜?」
 
と、心底申し訳なさそうに全ての告白を断ってくるのも、知っている。
 
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