God of Beast
「ん?」

気配に気づき、ヴァネッサは振り向いた。

光弾の攻撃を受けなくなった事で、地面に落ちるシリウス。

そのシリウスを見て。

「どうやら死んではいないようだな。超越神化に覚醒した事で、耐久力も上がったか」

ウラヌスは呟いた。

トレーニングルーム内での激しい訓練により、身に付けていた戦闘ジャケットは壊れてしまったのか。

上半身は何も身に付けていない。

その上半身には、両腕から背中にかけて深紅の体毛に覆われていた。

緑眼、逆立った黒髪。

何より深紅の毛に包まれた尻尾がある。

はち切れんばかりの大胸筋を張ったその姿は、人と猿の中間…進化過程における類人猿のようにも思えた。

「何だお前は?あの宇宙艇には猿も飼っていたのか?」

ウラヌスの姿を見て笑うヴァネッサ。

「くく…」

ウラヌスも一緒になって笑い。

「!?」

次の瞬間、瞬く間にヴァネッサの間合いに飛び込んで、頬へ右の拳を叩き込んだ!

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