強制両想い彼氏
皐月くんが指を動かす度にきこえる水音。
ぴちゃ、ぴちゃ、という生々しい音。
思わずきつく目をつぶって、皐月くんの胸に顔を埋めた。
「こらこら……ちゃんと聴けって……」
皐月くんは胸から私を引き剥がすと、意地の悪い笑顔で私の目を覗き込む。
「ほら……お前の音だよ」
皐月くんと付き合う前に、他の男の子と付き合ったことはある。
でも、それは中学生の時だったから、せいぜいしたのはキスまでだった。
唇と唇を重ねるだけのキス。
舌なんか入れない普通のキス。
それだって十分ドキドキした。
でも、皐月くんと付き合ってから、深いキスを知った。
心臓が爆発しそうになるから、正直苦手だった。
私が毎回あまりにも死にそうになるから、皐月くんは決してその先をしてこようとはしなかった。
「ゆっくり慣れような」って、いつも優しく笑ってくれた。
ドキドキして動けなくなる私を、「可愛い」って言いながら、優しく優しく撫でてくれた。
なのに……。
今日の皐月くんは、違う。
「……お前さ、本当に処女?」
私の中を擦りながら、皐月は私を見下ろして嘲るように笑った。
「こんなにドロドロにして……初めてなんて嘘なんじゃねーの」
「嫌……!」
「嫌なら濡らすなよ」
ズルリと指を引き抜くと、皐月くんは濡れた指をわざと私の目の前に差し出した。
「こんなに俺の指汚してさ……。初めてなのに、こんな公園で抱かれるの想像して興奮しちゃった?」
「う……っ」
「大丈夫だよ。お望み通り、ちゃんとここで抱いてやるから」
「いッ……いや!お願いやめて……!皐月く……」
「ほら……力抜いとけ」