この恋あきらめます
走って走って。
いつの間にか自分の部屋にいた。
涙は枯れることを知らないらしく、自分でも驚くくらいに流れ続ける。
「……っ。ぅう…………諦めろ私。頑張ったじゃん」
言葉にして初めてわかった。
私は、自分が頑張ってた事に。我慢して、気持ちを押さえつけてどうしようもない所まできてた。
でもさ、恋は頑張ってすることじゃないよね?多分。
恋はきっと、お互いがお互いのことを思い合うことで成り立つんだよね?
馬鹿な私は、気付かずにズルズルとここまで来た。
自分が好きでいることで、この恋がまだ終わりじゃないと思ってた。
いや、気付かないふりをして別れを先延ばしにしてた。
だって、離れるには余りにも彼を好き過ぎて。
自分の気持ちを否定するのが怖かったんだ。
頬をつたう涙を、ぐいっと力任せに拭いやっと決心する。
この恋をあきらめると────