この恋あきらめます

日曜日。15時45分。

司はまだ来ない。
連絡もないから、部活が長引いてるのかもしれない。


「はぁ。まだかなぁ」


ここに来て30分。
二杯目のオレンジジュースを頼む。


「オレンジジュース好きなんだよな」

「何それ。子供っぽい」

「良いんだよ。美味しいんだから!」


いつかした、彼との何気ない会話が思い出される。
司の好みが知りたくて飲み始めたオレンジジュースは、甘くて甘くて、その後にある少しの酸味が病みつきになった。

でも、緊張のせいか今のんだオレンジジュースは、唯々、私の口内を甘く染めるだけだった。
< 6 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop