この恋あきらめます
日曜日。15時45分。
司はまだ来ない。
連絡もないから、部活が長引いてるのかもしれない。
「はぁ。まだかなぁ」
ここに来て30分。
二杯目のオレンジジュースを頼む。
「オレンジジュース好きなんだよな」
「何それ。子供っぽい」
「良いんだよ。美味しいんだから!」
いつかした、彼との何気ない会話が思い出される。
司の好みが知りたくて飲み始めたオレンジジュースは、甘くて甘くて、その後にある少しの酸味が病みつきになった。
でも、緊張のせいか今のんだオレンジジュースは、唯々、私の口内を甘く染めるだけだった。