*好きと言えない俺様王子*
 とりあえず私は緊張しつつも、黒板を消すことに専念した。

 力いっぱい擦らないと跡が残るんだよねー。

 ……ってあれ、届かない!

 ってか先生上の方まで書きすぎでしょ!

 私がぴょんぴょん飛び跳ねながら上の方を消していると

「届かねーの?」

 背後から聞こえる深い声。

 私の手に重ねられる、大きくてゴツゴツして……温かみのある手。

「く、黒瀬君!?」

「つーかお前チビだな。俺に頼れよ」

「チビって言うなぁっ!気にしてるんだから!」

 でも身長175cm超えの黒瀬君からしたら確かにチビなんだろうなぁ~
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