*好きと言えない俺様王子*
 けれど、断った瞬間彼は豹変した。

「はぁ?この俺が告白してやってんのに断るわけ?ちょっと可愛いからって調子のんな。さっさとヤれると思ったのに」

「……へっ?」

 いつも爽やかな笑みを浮かべていた、白馬の王子様のような彼が!

 一瞬にして黒瀬君以上の俺様になっていた!

 でも、黒瀬君のような強引さじゃない。

 黒瀬君は優しさがあっての強引さ。

 彼のは単なる自己中心的なワガママだ。

「なぁ?なら無理にでも犯してやろうか?この場で」

「えっ!?ちょ……嫌だ!やめて!」

 いつの間にか校舎の壁に追い詰められ、手首を押さえつけられた。

 必死に抗うも、抵抗は虚しく。

 力の差には叶わなかった。

 スカートの中に侵入する生暖かい手。


 ……このまま、嫌なこと、されちゃうの?


 そう思った時だった。
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