*好きと言えない俺様王子*
 それから翠もやって来て、バスが出発。

 翠といろんなことを話してたわけだけど。

「ねぇ椿。あんたさ、夜黒瀬さんの部屋行っちゃいなさいよ!」

「う”え”ええぇっ”!?」

 自分でも訳の分からない奇声が出た。

 え、え、え私が黒瀬君の部屋に!?

「で、でも……」

「ほら、確か椿連絡係でしょ?」

「うん」

 私と翠は連絡係となっている。

 先生から明日のスケジュールを貰って、それを各部屋に渡していく係だ。

「それを口実に黒瀬さんの部屋に行ーくーの!係の仕事なんだから仕方ないでしょ~?」

「う……うん。じゃあ黒瀬君の部屋、私にやらせて」

「もっちろんよ!」

 むきゃああぁ!翠ナイスだよっ!

 私は翠のお節介に感謝した。

 神様、仏様、翠様!
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