*好きと言えない俺様王子*
「このアプリ……確か椿、位置情報をオンにしてるはず!」
見せられた画面には、確かに高速で移動する赤い点があった。
こんなに高速で移動しているということは、車しかない。
「そうか……もし犯人がそれを利用しているとすれば真っ先にスマホの電源を切るな。けれど切られていないということは……着けてきた」
「そうだろうね」
赤い点はまだ移動しているが、然程遠くへは行っていない。
「警察に伝えろ!けれど俺も行く」
「え!?黒瀬さん、危険だよ!凶器を持ってるかもしれないし……っ」
桃川が制止しようとするが、俺は構わず首を横に振った。
「俺ひとりで行くからお前らは先にホテルへ戻ってろ」
「あ!黒瀬!」
気づけば俺は、走り出していた。
これが関崎や桃川なら、俺は冷静に警察へ任せていただろう。
けれど、何故か椿は自分の手で助けたかった。
動かずにはいられなかった。
椿、どうか無事でいてくれ――……
見せられた画面には、確かに高速で移動する赤い点があった。
こんなに高速で移動しているということは、車しかない。
「そうか……もし犯人がそれを利用しているとすれば真っ先にスマホの電源を切るな。けれど切られていないということは……着けてきた」
「そうだろうね」
赤い点はまだ移動しているが、然程遠くへは行っていない。
「警察に伝えろ!けれど俺も行く」
「え!?黒瀬さん、危険だよ!凶器を持ってるかもしれないし……っ」
桃川が制止しようとするが、俺は構わず首を横に振った。
「俺ひとりで行くからお前らは先にホテルへ戻ってろ」
「あ!黒瀬!」
気づけば俺は、走り出していた。
これが関崎や桃川なら、俺は冷静に警察へ任せていただろう。
けれど、何故か椿は自分の手で助けたかった。
動かずにはいられなかった。
椿、どうか無事でいてくれ――……