*好きと言えない俺様王子*
 しばらくして、車が停まった。

「ご苦労。もういいよ」

 青原さんは運転手の人にお札を何枚か握らせると、車を出て行った。

 多分運転手さんは関係ない、雇われた人なんだろう。

 青原さんは私をお姫様抱っこすると、歩き出した。

 あぁこれが黒瀬君だったらいいのに……

 なんてのんきなことを考えてしまう。


 車から出ると、そこはガランとした倉庫だった。

 ダンボールやコンテナが積まれてあるけれど、人の気配は無い。

 私はその倉庫の一角に座らされた。

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