*好きと言えない俺様王子*
「告げ口したのは俺だ……けどさ、仕方ないだろ。あんなことしたんだし?」

「お前は……!」

「!」

 く、く……黒瀬君降臨――!?

「とんだ責任転嫁だな」

 黒瀬君はカッコよくそう言うと、近くにあったコンテナを勢いよく蹴った。

 コンテナは青原さんの顔に見事命中!

 デジャブを感じる展開だ!

「おい、椿……!大丈夫か!?」

 黒瀬君が慌てて駆けつけ、私の口のガムテープをゆっくり剥がす。

「……っ!はぁっ!はぁっ……」

 口で呼吸できる幸せを噛み締めておこう!

 あ、ガムテープの痕口についていないかな!?

 とかそんなことを思っていると……

「ったく心配……させんなよ……」

「……へっ!?」

 私は黒瀬君に思いっきり抱きしめられていた。
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