*好きと言えない俺様王子*
「嘘!赤澤さんの婚約者!?」
「なにそれ~っ!」

「おい、騒ぐなー」

 女子だけじゃない、男子も騒ぎ出し、紫田先生はため息をつく。

「里紅君……病院、行こっか?」

 私は里紅君の肩に手を置いて、落ち着きながら言った。

「病院?僕どこも悪くないけれど」

「自覚がないのか。重症だ……」

 後でこの辺の精神科をググっておこう。

「婚約なんてした覚えないんだけれど!?」

 お母さん、お父さん、知らない間になにかしたの!?

 嫌だよ~!私はあわよくば黒瀬君と……

 って今はそれどころじゃない!
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