*好きと言えない俺様王子*
「おい、いい加減にしろ。とにかくHR終わりにすっから号令かけろ。日直誰だ」

 紫田先生が痺れを切らして私と里紅君の間に割って入った。

「すみません……」

 里紅君はしぶしぶ自席に戻っていく。

「日直誰だっけ……って私じゃん!」

 あの最初の日直から既に1ヶ月以上経っていたのかぁ~気がつかなかったわ。

 え、ってことは今日黒瀬君と掃除!?

 よっしゃああざ~す!

 婚約のことを弁解するチャンス~!

「気を付け、礼」

「ありがとうございましたー」

 HRは一旦終了したものの、騒ぎは収まらず。

「椿、どういうこと!」

 翠からも尋問される。
 
 私は教室から飛び出して逃げ、授業が始まるまでトイレにこもっていた。
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