気付いた時には2人の君が・・・
始まり
女の子が一人で帰っている。いつもの放課後の窓から見える光景だ。僕は彼女の姿を見て教室をでる。特に理由はない。
ただ何となく彼女が歩いているのを何日か眺めている内にそれが毎日続くようになっていた。

今日も同じように彼女の姿を見てから帰るつもりだった。でも、いつも見ているような時間に彼女の姿はなく、こういうこともあるかと仕方なく教室を出る。

今日はついてないなと悲観しながら、下駄箱に行くべく廊下を歩いていると一人の女の子が向かい側から歩いてきていた。その子は、視線をあげることなく、ずっとうつむいて歩いてきた。顔は見えなくてもその子が誰なのかは一目瞭然だった。何せ、ほとんど毎日飽きることなくその姿を見てきたのだから。
今日は見ることが出来なかったと思っていた人だったから。
僕はすれ違いざまに、声をかけないよう必死にこらえた。だって、向こうは知ってるはずがないから。
僕には眺めてる以上のことは出来なかった。

しかし、彼女は目の前で倒れた。唐突に。いきなり目を閉じ寝てしまったかのように。僕は驚いた。焦った。周りには人がいない。でも、呼ぼうと思えば時間はかからないはずだ。
とりあえず先生を呼ぶべきだろうか。
でも今はもうすでに放課後だ。職員室の近くでもない限り先生なんてすぐ近くにはいない。
僕は一瞬でいろんなことに考えを巡らせ、気づけば彼女をおぶって保健室まで運んでいた。

そこで僕は彼女の秘密を知ることになる。
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