気付いた時には2人の君が・・・
揺れる想い
彼女を、桜野さんを必ず助ける。二重人格から。そう思っていた。だけど、僕の心は揺らぎ始めていた。
初めは二重人格を治すために彼女に毎日のように会っていた。楽しい時間を過ごすうちに人と接することも悪くないと彼女が思うんじゃないかと思っていた。
だけど、時折入れ替わる憐可の存在。彼女のしおらしく笑うあの顔。僕は彼女も一人の人間なんだと思わされた。たとえ二重人格だろうと、消えてしまう存在かもしれないのだろうと。そう思ってしまったら可憐ともどんな風に会ってどんな風に話せばいいかわからなくなってしまった。
「春野くん?」
「あ~、ごめん」
から返事で答える。隣にいる可憐は心配そうな顔でこちらを覗き込む。
「具合でも悪い?」
「いや、大丈夫」
一度考えてしまったことが頭から離れない。これからどうしたらいいのか、そればかりが脳内を目まぐるしく駆け回る。ろくに会話も出来ず、時間だけが過ぎていった。
結局、答えは見つからない。僕は彼女に、いや彼女たちに何をしてあげればいいのだろうか。
初めは二重人格を治すために彼女に毎日のように会っていた。楽しい時間を過ごすうちに人と接することも悪くないと彼女が思うんじゃないかと思っていた。
だけど、時折入れ替わる憐可の存在。彼女のしおらしく笑うあの顔。僕は彼女も一人の人間なんだと思わされた。たとえ二重人格だろうと、消えてしまう存在かもしれないのだろうと。そう思ってしまったら可憐ともどんな風に会ってどんな風に話せばいいかわからなくなってしまった。
「春野くん?」
「あ~、ごめん」
から返事で答える。隣にいる可憐は心配そうな顔でこちらを覗き込む。
「具合でも悪い?」
「いや、大丈夫」
一度考えてしまったことが頭から離れない。これからどうしたらいいのか、そればかりが脳内を目まぐるしく駆け回る。ろくに会話も出来ず、時間だけが過ぎていった。
結局、答えは見つからない。僕は彼女に、いや彼女たちに何をしてあげればいいのだろうか。