気付いた時には2人の君が・・・
見つからない
いつも以上に暇になった僕は起きるのが遅くなった。10時に目が覚めリビングへ向かう。今日は両親が買い物に出かけているらしくうちには自分一人。机には朝食が用意してあった。僕は天気でも確認したかったのか、ふと窓に近づき外の様子を見る。雨も降ってないし、どんよりした雲も見当たらない。今日はいい天気だ。そんなことを思いながら窓から離れようとした時だった。インターホンの前に人影が見えた。よく見てみると桜野さんだった。僕は玄関まで行きドアを開ける。
「どうしたの?」
「…言いたいことがあってきたんだ」
この声は憐可の方だ。髪には僕があげた可憐と色違いのヘアピンが付けられていた。彼女は自分の意思でここまで来たのだろうか。僕は反射的に家に上がるよう言った。
「春野くん、いや夢でいいか。夢さ最近様子がおかしいよね。それって私とも関係あるでしょ?」
僕の部屋にあげ、ベッドに座ったところでそう言われた。そして、憐可に自分の思っていることを話すことにした。
「わからなくなったんだ。僕は可憐の二重人格を直そうとしてる。でもそれと同時に憐可は死んでしまうことになる。」
「私は、それでも構わない。」
目頭が熱くなる。僕が泣くべきではないのかもしれない。だから上を向いて涙をこらえる。憐可の前で泣かないように。
「私はさ、本来はここにはいない存在なんだと思う。だから可憐の二重人格を直すことは可憐のためであり私のためでもあると思うんだ。」
彼女はまだ話を続けた。
「でも、今いきなり消えるわけじゃないからさこれからもよろしく頼むよ。可憐の気がすむまで私はここにいるからさ。」
「………」
何も言い返すことができなかった。震えた声を出すわけにはいかない。僕はただ、ただ彼女の言葉を飲み込んだ。きっと彼女も辛いのだろう。だけどそんな気持ちをこらえ僕に打ち明けてくれた。
「ここにいすぎても可憐に迷惑だろうし、そろそろいくね」
そう告げると足早に僕の部屋を出ていってしまった。
わかりきっていたことだった。二重人格は直さなきゃいけないと。それでも僕は心の片隅で今もまだ、憐可がいなくなることをためらっているのだった。
「どうしたの?」
「…言いたいことがあってきたんだ」
この声は憐可の方だ。髪には僕があげた可憐と色違いのヘアピンが付けられていた。彼女は自分の意思でここまで来たのだろうか。僕は反射的に家に上がるよう言った。
「春野くん、いや夢でいいか。夢さ最近様子がおかしいよね。それって私とも関係あるでしょ?」
僕の部屋にあげ、ベッドに座ったところでそう言われた。そして、憐可に自分の思っていることを話すことにした。
「わからなくなったんだ。僕は可憐の二重人格を直そうとしてる。でもそれと同時に憐可は死んでしまうことになる。」
「私は、それでも構わない。」
目頭が熱くなる。僕が泣くべきではないのかもしれない。だから上を向いて涙をこらえる。憐可の前で泣かないように。
「私はさ、本来はここにはいない存在なんだと思う。だから可憐の二重人格を直すことは可憐のためであり私のためでもあると思うんだ。」
彼女はまだ話を続けた。
「でも、今いきなり消えるわけじゃないからさこれからもよろしく頼むよ。可憐の気がすむまで私はここにいるからさ。」
「………」
何も言い返すことができなかった。震えた声を出すわけにはいかない。僕はただ、ただ彼女の言葉を飲み込んだ。きっと彼女も辛いのだろう。だけどそんな気持ちをこらえ僕に打ち明けてくれた。
「ここにいすぎても可憐に迷惑だろうし、そろそろいくね」
そう告げると足早に僕の部屋を出ていってしまった。
わかりきっていたことだった。二重人格は直さなきゃいけないと。それでも僕は心の片隅で今もまだ、憐可がいなくなることをためらっているのだった。