あじさい少女
そんないつもと変わらない日々が何年も続いた。
愛は17歳になり、ますますキレイで完璧になった。
でも
心は違った。
どうしてすべて、完璧でなきゃいけないのか
どうして自分だけこんなに窮屈なのか
習い事に行く時の車から見える、
楽しそうに笑って歩く同じ年の少女たち
その景色を見るたびに
次第に心がねじれていく
「愛!どういう事なのよ、この点数は!」
自分の部屋に、母親が叫びながら来るこの時
愛は苦しくなった。
心のねじれは、とうとう愛の行動にまで達した。
「愛!あけなさい!カギなんて掛けるんじゃありません!」
愛は今まで使ったことのない鍵を掛けた。
「入ってこないで!!嫌なのよもう!!分からない!!」
愛は叫んだ
"嫌"
"分からない"
"来ないで"
そして
"消えたい"
この言葉をひたすら叫んでいた
まるで思い通りにいかない幼児のように
泣き叫んだ