あじさい少女
「あじさいの…花」
「やっと声聞けた。それではまた」
「え…ちょっと待って」
少年らしき人物は去って行った。
愛はゆっくりあじさいの花を掴むと、少し涙が溢れた。
「……あじさい」
それは珍しい、ほんのり赤いあじさいだった
愛は窓からそっとのぞくと、雨が降っていた。
ポツポツと外のあじさいに降る雨。
あのあじさいも、こんなふうに赤いのだろうか
そんな事を思いながら、肘を着いていた。
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