先生に青春を取られたっていう話




これから宜しくお願いします。

と言って出てきた保健室。


結構長居してしまっていて、忘れていた。


櫻木のこと!


「やべー。軽く1時間経ったよな・・」


さすがに1時間放置はかわいそうだ

そうは言っても資料はとっくに作り終わっているだろうからもう勝手に帰ったんじゃ無いか?




走って階段を上がり、渡り廊下を突っ切って曲がり角の奥にある数学準備室に向かった



窓から見える外の景色はもう真っ暗だ。




ガラガラ!!

「櫻木すまん!ん?」

完璧に出来上がった全ての資料をしかも、綺麗に机の上に並べられている。

その脇に、腕を机の上に枕代わりとして組寝ている。


やばい。


無性にも可愛くて。


だって、”みてろよ大魔王め!!!”って、さっき言ってたやつがこんなちゃんと
やってるとか反則だろ?


しばらく寝顔をボーっと眺めてしまった。

俺って、今なキャラだったか?

自分が自分じゃないみたいで気持ち悪い。


さすがに起こそうと声をかける。


「おい!」


1回声をかけるだけでは、櫻木は起きない

それは今朝ので十分分かっている。




「おいっ!!!

櫻木起きろって!!」


今どは肩を揺すりながら起こした。



ふわっと起きた櫻木は、まだ眠たそうな目をこすりながら俺を見ると


「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」


は!?

またかよ・・


「お前いちいち起きるたんびに叫んでるのか!?」

そうも言いたくなるだろうが、誰だって


そこに返答はなかったものの寝起きにもかかわらず、顔が言っている。

きっとまた、俺の悪口でも言ってるのだろうな

本当に読みやすいやつだな



でも、資料は素直に褒めてやらんとな?


「全部資料作ってくれてサンキューな!

でも、なんで終わったら帰んなかったんだよ。

もう、外はだいぶ暗くなってきたぞ?」



「マジか・・」


まじだ。


「彼氏にでも送ってもらいな。」

モヤッ

・・・っとなんか

自分で言っといてイライラしている

どうした、俺・・


「彼氏なんかいないし・・。

てか、来るの遅いんだよ岡本!!!」


「おいおいおい!俺のせいかよっ!」

ま・・1時間は遅すぎるよな
大概俺も素直になれない



「当たり前じゃっ!ボケナスが!!」


ぶはっ!!



「お前口悪すぎだろ(笑)

まあ、俺がここに戻るの待ってたんだよな?

よしよし!」



そんな櫻木もなんだか愛おしくなってしまっていた。


気づいたら優しく櫻木の頭をポンポンと撫でていた。


意外だ。

抵抗してくるかと思ってたけど・・

耳まで真っ赤じゃねーか。
くそ・・

こーゆうのには正直慣れていない俺。

移るじゃねーかよ・・




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