Love Summerー幼なじみを卒業ー
「あの人、お兄さんなんだ?;;」



「えぇ」



「似てないし、あの顔からは似付かない、どす黒い声出すんだね;;」



「……序の口ですけどね;;」



「どういう事?;;」



完全に永君に怯えてる、1人の男に絡まれてる愛叶の横で、私はガーゼを膝に当て、包帯を巻く。

途中、目の前に居た永君に手伝って貰い、サージカルテープで止めて終了。

左膝は皮はちょっと捲れても居たけど、出血もないし、家でシャワーを浴びた時にちゃんと洗えば大丈夫かな。



「今回、怪我については悪気もなく、姫野さんも咎めないと仰ってるので、こちらももう何も言いません。けど!飲酒については、実行委員会のルールで決められた事。会長さんが罰金と言えば罰金だからね」



「「「『はい……』」」」



「お前たち、外で待ってろ」



「「…………?わかった」」



永君に追い出されるように外へ出て、私は愛叶と待機。

蒸し暑さの中、最新のカメラアプリでツーショットを撮り、花火の画像とSNSにアップ。

友達の何人かが、彼氏と来てたらしいけど気付かず。

…彼氏と花火大会か。

いつかは経験したいけど、このままではデートで花火はなさそう。

青春て、良いな……。

味わいたいものだ。




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