Love Summerー幼なじみを卒業ー
「今年はさ、また新たに永君を見た気がする」
「新たな俺?」
「去年は“早く帰れ”って怒られただけだったからさ」
深夜0時、ようやくベッドへと入った。
車出勤の永君が、怪我を理由に乗せてくれた。
幼なじみであり、お巡りさんである事が理由だろうけど、辛口な割に、本当に優しい。
行動と伴ってないせいか、周りはそう判断しない人が多いけど、私にはわかる。
幼なじみ、だもん。
お兄ちゃんと変わらないし。
「明日、永君お休みでしょ?ゆったり寝ても良いけど、起きたら家事して貰うからね」
「出来る事ねぇよ」
エアコンのせいか、冷える足先を擦り合わせながら寝返りをし、横顔を見つめる。
年の差は7才。
気付いた時には、手の届かない人になってた。
幼稚園、小学生の私からしたら大人で。
身長差は今でも、追い付けないほど。
私だって小さいわけでもないのに、30センチは差がある。
なのに枕を並べると、同じような気がして。
同じ景色は見れないと思ったのに、見つめる先には同じモノがあって。
遠いと思ってたのに、近い。
近くに居たのに、遠いと思い込ませたのは私自身だったのかも知れない。
埋まらないと思ってたのは、私だけなのかも知れない。