Love Summerー幼なじみを卒業ー
Lov.3*知らない過去
海水浴が怪我により延期。
仕方なく、愛叶とは買い物デート。
お揃いの服を見たり、プリクラを撮ったりと、夏じゃなくても出来る事で、1日を過ごす。
「何か不思議だなぁ。あの男(永)が悠李を食わないなんて」
「……どうして?;;」
もちろん、キスの事は言ってない。
まぁ、ルールの事は知ってるだろうけど。
「お兄ちゃんさ、悠李も知ってる通り、顔は良いでしょ?社会人になってからは知らないけど、学生時代は来る者拒まず。悠李が思ってる以上で。もちろんヤツは頭は良いから、ヘマとかはしてないし、一度の条件は飲ませてる。けど、普段は温厚な慧汰君とも、何度か喧嘩してた」
「お兄ちゃんと?」
「そう。慧汰君の彼女すら、抱けた男(あいつ)は、親もドン引きしてた」
「……そっか……」
フードコートの角席に座り、氷だけとなったプラスチック製コップに、ストローを幾度となく叩き付ける。
頷きながらも、引きすらしない私は、頭がおかしいのか。
お兄ちゃんの立場だったら……。
親目線に立ったら、そりゃあ思考は変わる。
だけど、永君には、私の気持ちでしか向き合えないようだ。
「そんなお兄ちゃんを押し付けるのは、親も私も苦しいけど、悠李だと、落ち着くような気がするんだよね」
…そりゃあ、噂なんてしたら、ママが許さないし。