Love Summerー幼なじみを卒業ー
「「遅くなりました」」



「……遅ぇんだよ。誰の為の引っ越しだ」



「すみません!;;」



「まぁまぁ」



友也君とお兄ちゃんもやって来た為、荷物の運び出しがスタートすると思えば、ご立腹の永君。

ガクガクと身体を震わせて謝る友也君を尻目に、永君の肩をポンポンと叩いて落ち着かせようとしてるお兄ちゃん。



「「あぁ…………;;」」



「ん?」



「お前ら兄弟、マジで指詰めてやろうか」



「うぅ……;;」



「いやいやそれは、傷害罪」



「さすが、弁護士を目指してる人!」



「だからビビるなよ」



「「そんな事(言われても)……;;」」



お兄ちゃんの大胆行動に、私とお兄ちゃん(長男)は胸元で十字を切って拝む。

キリスト教という訳ではないが、何かに縋りたくなる程、恐怖の光景でしかない。

弁護士を目指し、日夜、勉強に没頭する大学4年生の21歳と言えど、既に社会に出て、(ヤクザみたいだけど)警察官として務める永君に敵うとは思えなかったんだ。



「だいたい、兄貴はもう弁護士だろ?警察に勝る知識があるんだからビビるなよ」



「お前、ちゃんと考えてみろ?;;こいつとは20年以上の付き合いで、永の恐ろしさは……。おぉ……っ;;」



…思い出して、勝手に縮み上がるな!;;
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