Love Summerー幼なじみを卒業ー
ー永SIDEー
賑やかな居酒屋で、不釣り合いな程に静かな俺たち。
おじさんとおばさんの3人でビールジョッキを合わせても、身体に染みて来ない。
炭酸飲料でも飲んでる気分だ。
「永さ、悠李じゃダメなの?」
「“ダメ”って……」
「じゃあ、良いとこ挙げなさいよ」
「非はないかと」
家事もだが、勉強も出来るし、真面目で。
可愛く育ったし、問題はない。
それを一言でまとめて、煙草を銜えると奪われ、どうしたものかと眉間を掻く。
「悠李、泣いたらしいよ」
「……泣いた?」
「親子だからわかるけど、あの子はあんたを想って泣いたんじゃないかな」
「…………」
「このままだと、悠李は離れて行くよ」
「おばさんみたいにですか」
「私は3回フラれて、他に目を向けたら舜が居てくれただけ。あの子は私より頑固だからねー……。引き摺って引き摺って、行く行くは独身のまま、終わるのよ」
「それ、脅し入ってません?;;」
「まぁ、最後は冗談よ。けど、私があんたみたいな元タラシでも悠李を貰って欲しいと思うのに、このウジ虫がっ!」
…“ウジ虫”って;;
俺、何も言ってないけど;;
つーか俺……悠李の気持ち、知らねぇし。
俺も何にも言ってねぇよ。
賑やかな居酒屋で、不釣り合いな程に静かな俺たち。
おじさんとおばさんの3人でビールジョッキを合わせても、身体に染みて来ない。
炭酸飲料でも飲んでる気分だ。
「永さ、悠李じゃダメなの?」
「“ダメ”って……」
「じゃあ、良いとこ挙げなさいよ」
「非はないかと」
家事もだが、勉強も出来るし、真面目で。
可愛く育ったし、問題はない。
それを一言でまとめて、煙草を銜えると奪われ、どうしたものかと眉間を掻く。
「悠李、泣いたらしいよ」
「……泣いた?」
「親子だからわかるけど、あの子はあんたを想って泣いたんじゃないかな」
「…………」
「このままだと、悠李は離れて行くよ」
「おばさんみたいにですか」
「私は3回フラれて、他に目を向けたら舜が居てくれただけ。あの子は私より頑固だからねー……。引き摺って引き摺って、行く行くは独身のまま、終わるのよ」
「それ、脅し入ってません?;;」
「まぁ、最後は冗談よ。けど、私があんたみたいな元タラシでも悠李を貰って欲しいと思うのに、このウジ虫がっ!」
…“ウジ虫”って;;
俺、何も言ってないけど;;
つーか俺……悠李の気持ち、知らねぇし。
俺も何にも言ってねぇよ。