Love Summerー幼なじみを卒業ー
おばさんにキレてるようだが、“どちら様”と訊いて、気付く。

声と言い、見覚えのある紫のスエットは、明らかにうちの母親(ババア)。



「ハッ!?」



「お前、親に“どちら様”って何だ!永を産んでくれたママじゃねぇか」



「ねぇわー……;;」



「本当に、永君と愛叶のママだよ。わざわざメイク落としてくれたの」



…何で、わざわざ;;

母親(ババア)に続いて、やって来た親父と悠李に、オマケの悠李。

愛叶はどうせ友也ん家だろうけど、こいつら晩ご飯をここで済ませる気か。

俺と悠李は済んでるとは言え、未成年者を居酒屋に連れて来るか、普通。

…普通な家庭ではねぇけど。

酒を呑ませたら、警察として注意をすれば良い。




「すみません!生三つと、ピーチフィズを一つ下さい!」




「悠李は未成ね――…」



「うるせぇよ。タラシが」



「…………;;」



おばさんじゃなきゃ、止められた。

おばさんじゃなきゃ、キレた。

さっき、俺のこの先を信じてるって言った男(おじさん)の嫁じゃねぇのかよ。

親より育てて貰った恩義もあり、口篭もるも、こめかみがピクピクと動く。



「イライラしちゃって、まだケツは青いね」



…相手はおばさん。

どうか、堪えろ;;

しかし、目を背いた先には母親(ババア)。

どこを見れば;;





ー/永SIDEー
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