Love Summerー幼なじみを卒業ー
下駄箱から、いつもと違うアッパーが白いレースのウェッジサンダルを出し、サイズ確認。

ママの一昔前のばかり履いてるけど、ほとんど履かれてないもの。

磨り減りもないし、綺麗だからついて借りてしまう。



「ちょっと!ママの厚底!」



「だから、今はウェッジサンダルて言うの!それじゃあ行って来ます!」



「永に宜しくねー」



「――えっ;;」



「隠しても無駄よ?永が律儀にラインして来たの。“借ります”ってね」



「貸すなよ!」



「さっさと行きなさいよっ!」



…何て親だ!

何と言われても、結局は行くけど、“借ります”って言われて、普通に許すなよ、母親(バカ)!

しかし、こんなにオシャレして出掛けるのも久しぶりの為、すぐにムカつきなどなくなり、スキップがしたくなるような気分でバス停へ。

永君は車通勤だけど、私たちが住むところの最寄りのバス停から1本で行けて、しかも目の前で降りられる便利な場所にある警察署。

このルートを通るバスは全て停まる為、すぐ来た適当なバスに乗車。

やや帰宅ラッシュと被るも、難なく到着。

裏口に回り、署員用の出入り口が見えるところで待機。

…ちょっと早かったかな……。

まだ15分はある。
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