Love Summerー幼なじみを卒業ー
「真彩、貴久-タカヒサ-にちょっと貰って帰っても良い?」



「言うと思って分けてあるよ!ほら、どうせ舜-シュン-も遅いし」



「舜君は社長だし、印刷会社も大変だよね」



「うちは小さい会社よ。貴久君も大変みたいじゃない。鳶は危険だし」



「でも、17の時からずっと鳶で、他に何か出来る頭もないから。永だけが自慢だわ」



「……私はどうなる;;」



「あら、私は愛叶が可愛くて好きよ?将来は慧汰か悠汰のお嫁さんにって望んだもの」



「「勘弁して;;」」



「あ、帰ったの?」



「そこじゃなくて、“勘弁して”にツッコんで;;」



「あぁ、そうね;;」



まさかの2人から拒絶された事に、ダメージを受けたらしい愛叶に、ママは苦笑い。



「トンビがタカを産むとはこの事ね。逆が面白いかもよ?真彩」




「“逆”?」



「悠李が永と結婚するの。そしたら煩わしい嫁姑の揉め事はないし、家事も任せられる。それに真彩が親戚なんて頼もしいもの!」



「良いわね!私も貴久君が親戚だと、何があっても怖くないわ!」




「おい」



「私たちの意見も聞いて;;」



「聞かないわよ」



「悠李?ママの言う事は?」



「絶対です……。いや、おかしいでしょ!;;」



娘の将来を勝手に決めるな!;;
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