Love Summerー幼なじみを卒業ー
「では、新郎新婦様より、ご両親への花束贈呈です」



手紙を読み終えた私は、永君に差し出されたハンカチで涙を拭い、お義父さんとお義母さんの前へと立つ。

2人にそれぞれ花束を渡して、6人並んでの記念撮影。



「最後に、新郎様、新郎様のお父様よりご挨拶を頂戴致します」



回れ右をし、永君より1歩下がる。



「本日は、はるばるハワイまで脚をお運び頂きまして、誠にありがとうございました。まだまだ始まった僕たち夫婦を、これからも見守り、時に叱咤して頂ければと思います。本当にありがとうございました」



永くれたお陰のタイミングに合わせて、揃って頭を下げる。

お義父さんに移るマイク。

お酒も入ってるし、緊張はないかと思ったけど、目に光るものを見てしまった。



「皆様、本日は2人の為にありがとうございました。なかなか不慣れなもので、挨拶を考えても浮かばずで、こんな挨拶で申し訳ございません。
昨年8月より、夫婦として歩み始めた2人は、まだまだ未熟でございます。皆様にご迷惑を掛ける日があるかも知れません。ですが、息子の永と、妻の悠李がこうして結ばれましたのも、私ども親の夢でありながらも、皆様の支え、祝福があってこそでございます。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。本日は誠に、ありがとうごさいました……っ」



それは最後に、一筋の涙となって溢れる。
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