Love Summerー幼なじみを卒業ー
――夏休み1日目。
愛叶は友也君のアパートだし、他の友達と約束を取り付けてなかった私は、朝から問題集と向かい合って居た。
高校3年は夏休みの宿題と呼ばれるものはなく、受験をする者は、ひたすら受験に向けた勉強に時間を費やす。
私はお兄ちゃんたちみたいに、弁護士を目指すとか、大学に行くなどと行った明確な意思や夢は持ってないけど、中途半端な気持ちで就職をするなら大学へ行くようにパパから言われてる為、こうして勉強をしてるのだ。
どうせ行くなら、妥協して行ける大学に行くよりも、挑戦はしたいし。
パパはママと結婚した時は20歳で大学生。
中退をせずに何とか卒業。
祖父が細々とやってた印刷会社に就職、社長となった今、後悔はないようだけど、子供には視野を広く持って欲しいと思ってるようだ。
--コンコン
「はい」
「腹減った」
「……ママ、居ないの?」
「居ない」
気付かないうちに、お昼を過ぎてたようだ。
夜更かししてたのか、まだ寝起きで寝癖を付けたままの、自由気儘な大学生のお兄ちゃんの空腹感は何となしに伝わり、私は勉強中だけ掛けてる眼鏡を外して、1階へと降りる。
確かにママの姿はなく、キッチンで食料を漁ると何やら豊富。
ママが出掛けるのは買い物位だと思ったけど、違うようだ。