前途多難な恋物語
「じゃあ本当にもう切るね」
『あぁ、おやすみ』
「おやすみなさい」
『陽菜ちゃん、HappyWhitedayEve』
「何でイヴなの?」
『ん、明日のホワイトデーには色んな人、おじさんや従兄弟や友達からお返しがあるだろ?』
「う、うん、たぶん」
毎年のようにパパやお祖父ちゃんや叔父さん、従兄弟達にバレンタインデーにはチョコをプレゼントしたから。
『だから一日早く渡して印象づけたかったの。俺も必死なわけよ、離れてる分』
「隼人お兄ちゃん…フフッそんな心配しなくても、例え明日にもらっていても隼人お兄ちゃんのが一番だから。だって私にとって隼人お兄ちゃんは一番大事な男性(ヒト)…お、おやすみなさい」
勢いよくスマホをタップした。
あ~恥ずかしいったらありゃしない。
私があんなことを言うなんて。
壁に掛けてある鏡を見ると眼が輝いて真っ赤になった私の顔。
いつもの私だけど何かが違う。
これがもしかしたら恋してる女の顔?
隼人お兄ちゃんに恋をして私は変わっていくのかしら?
私の恋はまだ始まったばかり。
これからどうなっていくのか分からない。
でも只一つ分かっていることは
私は隼人お兄ちゃん、ううん、隼人さんが大好きだってこと。
これからもずっとね。
ね、隼人さん。
私からもHappyWhitedayEve♪
*Fin*