前途多難な恋物語
「フフフ…」
「ん?何かおかしいことがあるのか」
私が急に笑いだしたからか顔を覗き込む。
「陽菜はまだお箸が転んでもおかしい年頃ですから」
コーヒーを飲みながらのんびりと言うけど、ママ、私はもう中高生じゃありませんから。
「違うわよ。隼人お兄ちゃんのドラフトの時のことを思い出してたのよ」
「隼人君のドラフト…あ、あぁ。フフフ…」
ママも思い出したのか笑いだした。
「ん?隼人のドラフトってなんかおかしいことあったか?」
「ドラフト会議の時じゃなく隼人君が挨拶に来てくれた時のことですよ」
ママにそう言われても
「挨拶にって…あの時なんかあったか?」
本当に『分からん』って顔をして考えてる。
ママと顔を見合せ『やっぱり覚えてないみたいね』『酔ってたんだよね』って目で話した。
「なんだお前らだけ頷き合って!分かるように話せ。気分が悪い」
なんでそこで逆ギレするのよ。
ほんと、子どもみたいなんだから。