前途多難な恋物語
「どういうことだ?」
「うん、金曜のナイターのチケットも入ってたの。だから昼から行ってナイター観戦してホテルに行く。あ、もちろん隼人お兄ちゃんは試合だからその夜は会わないから」
そこは強調しとかないとまたやきもきされる。
「試合が終わったら、まぁ9時半か10時頃になるし、パパ達が来るのとちょうどじゃない?」
「……」
「そうね。金曜日の試合が本拠地での開幕戦だから隼人君も陽菜に応援してもらいたいわよね」
「ママ」
当たってるけど、それを聞いたらまたパパが…
「ね、恭介さん、私達も二人で新幹線に乗るのもいいもんですよ。たまには新婚気分で」
「ママ」
「し、志織!お前は何を」
フフッ、隼人お兄ちゃんだけでなくママも頭がいいわ。
「ねっ!」
ママの笑顔で
「そ、そうだな。分かった。陽菜は先に行け。そして俺達が着いた時にまだ試合が終わってなかったら球場まで迎えに行く。それでいいな」
「……」
迎えに来るって、私はいつまでもお子様あつかいなんだから。
「陽菜?」
「はい、分かりました」
ま、大阪に行けることにはなったから後の細かいことには目を瞑ってよしとしますか。
「ん」