前途多難な恋物語


部屋に戻りスマホを手にして隼人お兄ちゃんの番号を呼び出す。

『陽菜ちゃん』
 
「ごめんね、遅くなって。今、大丈夫なの?」

『あぁ。陽菜ちゃんからの電話を首を長くして待ってたところ』

またこんな恥ずかしいことをさらっと言えるわね。

それに『クッ』なんて喉の奥で笑ってるし。

きっと私の顔が赤くなってるのに気づいてるんだよ。

こんなところ、パパと似てるのよね。
 
『陽菜ちゃん?』

あ、いけない。

「改めてペンダントありがとうございました。凄く綺麗で嬉しいよ」

『よかった!何がいいか無い頭を絞った甲斐があったと言うもんだ』

「ハハハ…なに、それ?隼人お兄ちゃんの頭のいいのは昔から知ってるよ」

『女性に、恋人にプレゼントするのは別なの。先週の誕生日だって悩んで悩んであの超ベタなあれだ。陽菜ちゃんひいただろ?いや、おじさんに馬鹿にされただろうな、きっと』
 
「ひくわけないじゃない。めちゃめちゃ嬉しかったよ」

好きな人から年の数の薔薇をもらうなんて女の子としては最高に嬉しいよ。

それに私にしたら初めて出来た恋人からの初めての誕生日プレゼントだもん、嬉しいに決まってるよ。




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