偽りの先生、幾千の涙
序章 天空から見た星空
真っ暗な空の下に、眩い街が広がる。
辺り一面に様々な色に光るその街を、私は美しいと思う。
いつもマンションの屋上からここを眺めているけれど、今日は特に綺麗に見える。
私は1歩前に出る。
靴の先は何もない、空と同化した空気のみが存在する。
私、今からこの人工的な星空に飛び込むの。
今まで我慢して生きてきたんだから、最後ぐらい好きな場所に行ったっていいよね。
私は景色を目に焼き付ける。
東京の女子高生で良かった。
他の地域じゃここまで光り輝いてないと思う。
さて…さようなら、私の約18年間。
榎本果穂は今日をもって、この世を卒業します。
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