偽りの先生、幾千の涙
私、これからどうなるんだろうとか。
上手く逃げられるかどうかとか。
私を送った後、優さんはどうするんだろうか?
家族の元に戻れるのかな?
優さんの家族、本当は優しそうだし…でも裏切ったのに変わりはないから、居づらくないかな?
っていうか、戻れるの?
どうやって言い訳するの…私がその日捕まらなかったとか?
それでは日を変えるだけで、根本的な解決にはならない。
…私に生きろって言ったけど、優さんは生きられるかな?
生きて、幸せになれるかな?
気が付いたら、私自身について考えずに、優さんの心配ばかりしていた。
馬鹿らしいと思ったけど、その考えは一瞬で消えた。
私も優さんに生きてほしいし、幸せになってほしい。
だってこんなに…
私はこの時に漸く気付いた。
優さんは初めて私が頼った大人であり、心地好い居場所を提供してくれた人であり、そして…
私が初めて好きになった人だ。