偽りの先生、幾千の涙
「何で面談するかって言うと、俺は皆のこと全然知らないんだ。
今までの面談の記録とかあるから、皆の志望校とか成績とかは把握出来る。
これ、凄く大事な資料だし、これからも参考にしていくつもり。
でも俺は皆から直接、色んな事を聞きたいんだ。
将来どういう事したいかとか、本当はこう思ってるとか…なんなら勉強以外の事を話してもいいぞ。
俺は皆の担任になったからには、皆のこと出来るだけ知っておきたいんだ。」
最もらしい事を言うと、クラス中が賛成する。
榎本果穂も微笑んで頷いている。
よし、あとは日程調整さえちゃんと出来れば完璧だ。
俺はまた話し始める。
「日時に関しては、放課後にしようと思っていて、具体的にはまだ決めていない。
皆の補講の加減で決めようと思う。
俺も放課後に補講を持っている日もあるし、時間も限られるから…そうだな。
ゴールデンウィーク明けぐらいから始めようと考えてる。
予定表に関しては、今週中に配ると思う。
俺の中では、そうだな…1人20分ぐらいで、1日に4人ぐらいが限度かな。
このクラスは30人だから、8日かけてじっくり面談していこうと思っている。」
そう、日数はかかる。
他の生徒の話も聞かないといけないから面倒だけど、どうも平等主義っぽいお嬢様はそうでもしないと動かない。
それに1人あたりの時間を削れば、俺だって楽になれる。
でも、余りを2にするにはこの数と時間がベストだ。
30人を8日に分ける、7日間は4人ずつで、2人しか見ない日を1日作る事が出来る。
そうだな、休み明けと言ったが、休み直前の放課後に2人入れよう。
榎本果穂と国木田花音だ。