偽りの先生、幾千の涙

side by 果穂



個人面談をやると言われた時、正直面倒だと思った。


皆のことを知りたいと言った伊藤の言葉が嘘臭くて、信用出来なかったのもある。


本当は何が知りたいのか、そんな疑念を抱いて金曜日を迎えた。


その日は4月にしては暑かった。


長袖のセーラー服は風通しが悪くて、蒸し暑く感じる。


こんな日に限って風は穏やかで、図書室もまだ冷房は入らない。


何処にいても涼しく過ごせなくて、そのくせ周りは人だらけで不快だった。


勿論、不快感は出さずに涼しい顔をして過ごしていたけど、面談はあるし、どう頑張っても晴れやかな気持ちにはなれなかった。


でも…気になる事は調べておかないと。


そんな気持ちで昼休みを過ごした。


私は毎日違う子とご飯を食べている。


違う子と言っても、3グループに分けられた集団と毎日交代で食べているし、この学校は土曜日も学校があるから週2回は同じ子達と食べる形だ。


どうしてこんな制度になったかと言うと、どうしてか皆、私と食べたがるのだ。


取り合いになるから、このようなルールを作った。


だって皆に争われたら、困るもん。


イジメとかあっても困るし、それなら皆と平等に接しようと考えた。


そして今日も金曜日に食べる子達、通称、第2グループとランチを共にしていた。


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