偽りの先生、幾千の涙
俺がこの話を聞いたのは、15歳の時だ。
父さんはとても真剣な顔で、一晩かけてその経緯俺に話した。
復讐をする事を話したうえで、父さんはこう言った。
「復讐するのは海斗が高校を卒業したからにしようと思う。
その後、お前たちと縁を切る。
戸籍から離れるんだ。
2人に迷惑はかけたくないが、どうしても榎本悟郎に復讐したいんだ。
だから頼む。
その後は親に頼らずに生きてくれ。」
俺はその話を聞いた時、俺も一緒に復讐したいと話した。
家族を失った人間の一人として、榎本悟郎を許せない気持ちは同じだった。
父さんは大反対した。
子供が軽い気持ちで加わっていい話ではないと。
だが俺も粘った。
反抗の1つとして、高校には行かなかった。
フリーターをしながら父さんを説得した。
話を聞いてから2年弱が経って、父さんは俺に復讐を加わる事を許した。
それから俺の猛勉強の日々が始まった。
海斗に話したのはその数年後の事だった。
父さんは海斗だけでも巻き込まないようにしようと考えたが、海斗は家族との縁を切る事を拒否した。
そして今に至る。