そばにいて
自分の気持ちよりも今はミキのことを考えないと。
心の中で頭(かぶり)を振ってリビングのミキの寝床をのぞくと、さっき町田さんから送ってもらった画像のようにミキは気持ちよさそうに寝ていた。
ああ良かった。
壁掛け時計を見ると、八時を過ぎていた。
思っていたよりもずっと早く帰れてよかった。
「夕食ごめん、コンビニ弁当でいいかな」
弁当が二つ入ったコンビニ袋を掲げて見せるけれど、彼女はいまいち俺の言ってる意図を飲み込めていない表情をする。
「おなかすいてない?食べながらミキのこと聴くよ」
「はいっ」
彼女は近くに置いてあった鞄から財布を取り出した。
「あーいいよいいよ。ミキのことしてもらったんだし」
「でも」
「いいからいいから」
「はい」
そうして、オレは彼女とウチで食事をすることになった。