そばにいて


今日は仕事を休んだ。
幸い、急ぎの仕事や抜けられない会議なんかもない。

だけど、ひどい風邪の時だって這ってでも出勤するような自分が休むなんて信じられない。

けれど、目の前のミキを見ていたらとてもじゃないけれど、仕事に行く気になんてならない。


「ミキ~……」

俺を置いていくなよ。

冷たくなったミキを抱いてその場に寝そべった。
拭っても拭っても涙がとまらない。

あぁ、町田さんに連絡しなきゃ。
もう来なくていいって。

でも、本当はそばにいてほしい。


ミキ。
”もう七年経った”、そう思ってもいいか?

お前への裏切りにならないか?

ミキがあの日言ってたように、俺はさみしがり屋だ。
ネコのミキまでいなくなった今、俺にはあのコが必要なんだ。


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