三つ葉のクローバー
「……東條(とうじょう)………みの………」
差し伸べられた手に返すことが出来なくて、代わりに涙が出た。
キラキラした2人の眼差しが眩してくて、涙が止まらない。
僅か6歳の男の子は泣きながらここ「三つ葉荘」にやって来た。
「みの?」
郁未が首を傾げるて尋ねると、実は大きく何度も首を横に振る。
「ぢがう~!!」
「よっし!みの!お前は今日から俺らの仲間だ!」
「仲間だぁ」
2人は伸ばした手を引っ込めずに、更に伸ばして実の手を掴む。
「せ~のっっ!!」
ニヤリと笑って、2人は実を引っ張って中に入れた。
「わ、わわっ!」
勢い良く浮かぶ身体が郁未の瑠華の上に覆いかぶさって、3人は玄関で転げた。