三つ葉のクローバー




大きな声にはっと目を開けると、瑠華がフライパンを今にも振り落とそうとしているところだった。




「る、瑠華?」





「もー、やっと起きた!ソファで寝たら風邪引くよ?」




「その手のフライパンなに?」




「起きないから起こそうと思ったんだよ!感謝してよね」




「もぅ」と頬を膨らませる瑠華は、フライパンをしまって階段で大声を出した。




「郁ー!ご飯!!!」





「ワンっ!って俺はペットじゃねぇ。もっと他に呼び方あんだろ。ふぁ」




だるそうに降りてきた郁未はセットをしていない金色の髪を適当にかいて、リビングテーブルに座った。




実はポケーっとその光景を見て、手元の本に目が止まる。









(そう言えば、昨日の夜これ読んでたんだ)












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